高血圧 ②
患者さんからたまに聞かれる質問があります。
「別に体はだるくないし治療はいらないんじゃない?」
そうです、高血圧は自覚症状がありません。
そのため、放置してしまう人が多い病気なのかもしれません。
放っておかずに治療をすることのメリットを調べてみました。健康日本21において、収縮期血圧が4mmHg下がることで脳卒中による死亡率は、男性8.9%、女性5.8%と推測されています。これは年間で約1万人の減少とされます。
これだけ下がるだけで十分すぎる効果と考えることができるデータではないでしょうか。
さて、治療についてですが、毎日欠かさず降圧薬を飲む以外に、みなさんのご協力も必要です。まずは、塩分の取りすぎを制限しましょう。男性8g未満女性、7g未満が推奨されています。次に、30分程度の有酸素運動といった、健康的な生活がよいとされております。
逆に、喫煙は血圧に非常に悪影響を与えます。1本たばこを吸うことで、血管が収縮してしまい、4mmHg血圧が上昇しますので、高血圧の喫煙者の方には保険適応の禁煙外来をお勧めします。
一緒にコントロールをすることで、みなさんの変わりない普段の生活を続けていけることをお手伝いさせてください。